JR西日本の30日間”乗り放題”パスはお得？　城崎温泉に何回行けば元が取れるか検証してみた【コラム】

JR西日本は、同社のICOCAエリア（七尾線・城端線を除く）が30日間乗り放題となる、「JR西日本無限大パス」を発売する。販売価格は50,240円となかなか値が張る設定で、気になるのは、やはり「元が取れるか」ではないだろうか。

そもそも「JR西日本無限大パス」とは？

「JR西日本無限大パス」とは、事前に「KANSAI MaaS」アプリに登録し、パスの利用開始手続きをしたICOCA（「SMART ICOCA」、「モバイルICOCA・Apple PayのICOCA」含む）でICOCAエリアを乗車すると、一旦運賃が引き落とされるものの、自由周遊区間内をICOCAで利用した運賃相当分を WESTERポイント（チャージ専用）で全額還元するというもの。

普通列車の普通車自由席が乗り放題になっており、快速列車や新快速も利用できる。ただ、特急列車は特急料金が必要で、指定席に乗車する際も別途追加料金が必要となる。

乗り放題の場合、気になるのは新幹線に乗れるかだが、そもそもICOCAでは新幹線は利用できない（定期券があるICOCAの一部に例外はある）。今回のパスを利用する形では新幹線に乗れないと覚えておこう。

とはいえ、JR西日本のICOCAエリアは、東は敦賀や米原、亀山から、西は下関まで広がり、山陰や紀伊半島など幅広くカバーしていることが特徴。原則として、ICOCAは200キロ以内の利用となるが、途中駅で改札を入出場することなどにより、実質距離無制限で利用できる。

城崎温泉に何回行けばよいか、気になる。

以上のことを前提として、無限大パスの元が取れるかがやはり気になるところ。京都～三ノ宮駅間を毎日往復すると、合計運賃が66,600円となり、1万円以上お得になる。ただし、同区間の定期券は1か月31,880円（通勤）のため、同区間のみ往復するなら、無限大パスは損だ。

では、関西の人が大好きな城崎温泉に何回行けば元が取れるか、考えてみる。

大阪～城崎温泉駅間の運賃は、片道3,410円。30日間で8往復すると元が取れる計算になる。毎週末、城崎温泉に日帰り往復する計算だ。ちなみに1年に換算すると、約96回ペースとなる。さすがに飽きるのではないだろうか…。

なお、特急列車に乗る場合、特急料金は別途必要。グリーン車も料金を払えば乗車できるものの、お得感はなくなる。なお、あくまで利用した分（運賃が引き落とされた分）がポイントで還元されるシステムなので、行ってきたフリ（カラ旅行？）をしても何も起こらず、無駄になるので、そのような行動に心当たりがある人がもしいたら、気を付けてほしい。